最終更新日:2025年11月28日(内容は随時変更されていきます)
SUMMARY
- 音楽を前提にしていない場所で行う、33:33 / 45:00 の無観客ライブ収録シリーズ
- YouTubeなどでの公開を前提とした撮影・収録
- 現在は 場所提供者・ミュージシャン・ビデオグラファー を募集している
その場所には、まだ再生されていない「音」がある。
役目を終えた工場、静寂に包まれた深夜のロビー、誰かの生活が染み付いた部屋。SITE SESSIONSは、ミュージシャンの身体を媒介に、場所に眠る記憶を「音楽」として翻訳し、映像に定着させるセッション・シリーズです。 ライブハウスやホールではない、音楽を前提にしていない空間に音楽家を連れていき、33分33秒 / 45分00秒のいずれかの時間、その場所・空間と音で向き合う様子を記録します。
このSESSIONは、サウンドスケープ/フィールドレコーディング/サイトスペシフィック・アートといった実践から発想を得ていますが、「理論どおりの実験」をなぞる場ではありません。「環境音をただ録る」「アンビエントをただ流す」ということではなく、ミュージシャンの身体を通して、「場所に染みついた感触」をどう聴き取り、どう音楽として返すか。そのプロセス自体を、一回ごとのセッションとして立ち上げていきたいと考えています。
セット時間について(33:33 と 45:00)
音楽家たちのスタイルや場所の条件に応じて、33:33 / 45:00 いずれかのフォーマットを選択できるようにします。
| 33分33秒セット | 環境との“対話”を凝縮したライブに。場所固有のディテールを短いスパンで切り取る。 |
| 45分セット | 流れや物語性をじっくり組み立てたい DJ/ロングフォームのライブに。展開をつくりやすい尺として。 |
また、動画としては33分33秒 / 45分00秒というパフォーマンスの前後に、場所の様子やクレジットなどの映像を数分加えた構成を基本とします。
例)
・演奏ブロック:33:33 / 45:00(ノーカット)
・前後ブロック:環境ショット+クレジット(数分)
音の扱いについて(ヘッドフォン演奏と生演奏)
本シリーズのライブ形式は基本的に、「外に音を出さないヘッドフォン・セッション」を想定しています。
ホテルの客室やギャラリー内など、外部への音漏れができない場所では、演奏者はヘッドフォンを装着し、空間はほぼ無音のまま、音だけはライン経由で録音・モニターされます。
一方で、場所の条件が許す回については、生音や小音量のスピーカーを用いたセッションを行うことも検討します。ただしその場合も、環境に過度な負荷をかけない音量・時間帯での実施を前提に、「場所と音の関係」を丁寧に設計することとします。
共創プロセスについて(下見〜当日までの流れ)
本セッションは、「場所」「音楽家」「記録チーム」という三者で行われることを想定しています。おおまかな進行イメージは、次のとおりです。
| 1.ヒアリング & 場所のご相談 | 場所提供者の方から、「こんな場所でやってみたい」という候補や背景をうかがいます。音量制限・電源・利用可能時間帯・撮影可否など、実務的な条件もここで確認します。 |
| 2.ロケハン(下見) | 音楽家/ビデオグラファーで現地を訪問。音の響き方、環境音、光の入り方、動線、撮影のアングルなどを一緒にチェックします。「この場所ならではの視点」を、音と映像の両方からすり合わせる時間です。 |
| 3.コンセプト & セット時間の確定 | ロケハンの内容を踏まえて、「何を起点にこの場所を聴くか」「33:33 / 45:00 のどちらで演奏するか」を決めます。必要に応じて、簡単なキーワードメモや構成案を共有し、音楽家と記録チームで合意します。 |
| 4.テクニカル設計(音響・照明・撮影動線) | 使用する機材(音響・照明・カメラ)をミニマムに設計しつつ、場所の魅力が最大限出るように調整します。また、基本的に外部へ音を漏らさない「サイレント/ヘッドフォン・セッション」とし、音はラインまたはマイクで収録。後日ミックスして作品化することを想定します。 ただし、場所の条件が許す場合には、小型モニターや生音を活かした「音のあるセッション」を検討することもありえます。 |
| 5.本番(33:33 / 45:00 ライブ & 撮影) | 原則としてノーカットで 33:33 / 45:00 の演奏を行い、その全体をビデオ収録します。必要に応じて、演奏前後の環境ショットやインタビューも撮影し、「場所に刻まれている時間」が伝わるように記録します。 |
| 6.編集・公開 & アーカイブ | 本編映像(フル尺)と、ショートバージョン(数十秒〜数分)の両方を編集。場所や音楽家のクレジット表記、テキスト(ステートメント)なども、あわせて調整したのち、HASSHIKIの公式YouTubeで公開します。 |
上記はあくまでたたき台としての案で、場所や共演者に応じてフレキシブルに組み替えていきます。
募集するコラボレーター
- 場所を提供してくださる方
・廃業した工場、営業外の店舗、ホテルの一室、ギャラリーや倉庫、個人宅の一室、寺社仏閣、学校、オフィスなど、「ここで音を鳴らしたら何が起こるだろう?」と感じる場所をお持ちの方。
・音量・時間帯・撮影の可否など、条件に応じて無理のないかたちで調整させていただける方。 - 音楽家/サウンドアーティスト/DJ の方
・環境や空間からインスピレーションを受けて演奏することに興味がある方。
・アンビエント/即興/実験音楽/ビートミュージック/DJ などジャンルは問いません。
・本企画の多くの回では、外部に音を出さないヘッドフォン・セッション形式を想定していますが、場所によっては小音量の生音セッションも検討します。
・毎回PAエンジニアを手配する前提のSESSIONではないため、簡易レコーダー(Zoom等)やオーディオインターフェースを使って、ご自身の演奏をステレオ/マルチトラック録音できる方だととても心強いです(必須条件ではなく「歓迎要件」として)。 - ビデオグラファー/映像作家の方
・少人数の現場で、音楽ライブやドキュメンタリーの撮影経験がある方
・自然光や既存の照明を活かしながら、場所の空気感をすくい取るのが得意な方
・長回しで「時間の流れ」を見せるカットと、ディテールのショットをバランス良く組める方
・可能であれば、編集まで担っていただける方(撮影のみ希望も相談可)
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2025.11.28: コンセプトドラフト公開
Support / Partner(ご支援・コラボレーションについて)
白識 | HASSHIKI では、本セッション/プロジェクトにご関心のある企業・団体・個人のみなさまとのパートナーシップ(協働・協賛)を受け付けています。会場のご提供、機材協力、作品制作の共同企画、ブランド/プロダクトとのコラボレーションなど、ご相談やお問い合わせは下記フォームよりお寄せください。